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植毛の歴史

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現在、AGAの有効な対処法として自毛植毛は広く認知されていると同時に、その技術力は早いスピードで進化を続けています。

しかし施術方法は薄毛やハゲの原因がAGA、つまり男性ホルモンのテストステロンが5α−リアクターゼと結合、ジヒドロテストステロンになって毛乳頭の受容体と結合することと分かった最近になって飛躍的な進化をしています。

進化したきっかけはどこにあったのでしょうか?

そこで今回は「植毛の歴史」と題し、自毛植毛が飛躍的に進化するまでの過程について、このサイトを運営しているスタッフの1人である私が解説します。

古い歴史に見られる「男性型脱毛症(AGA)」

AGAの歴史は古く、ギリシア時代までさかのぼります。

現在でも医師の倫理や任務について受け継がれている「ヒポクラテスの誓い」で知られる当時の医師、ヒポクラテス(紀元前460〜360年頃)は宦官(かんがん:国家機関に勤務する官吏で去勢されている)に薄毛がいないことに着目、すでに男性ホルモンは薄毛に関係があるという記録を残しています。

 

しかし薄毛やハゲは生命的な危険があるわけではなく、むしろ他の病気で簡単に生命を奪われてしまうことから医療はAGAに対する原因究明や療法に目を向けず、生命維持のための研究や技術を発展させます。

 

この弾性ホルモンと薄毛の関係に着目したのがアメリカのB・J・ハミルトン医師。AGAの進行状況を表すハミルトン・ノーウッド分類を作り出した医師で、原型を改良したのがノーウッド医師です。一説によると1940年代、ハミルトン医師は去勢された薄毛の男性と毛が濃い男性にテストステロンを注入、薄毛の男性だけがさらに進行したことから、テストステロンと薄毛の関係を見出したと言われています。

 

ただし、この説には出典がはっきりしていないので定かではありません。

 

ハミルトン・ノーウッド分類がこれだけ自毛植毛の医師に採用されているのにハミルトン医師の詳細情報はほとんど見当たらず、また去勢した男性に対する臨床実験の資料もありません。

歴史的に見てかなり謎の医師です。

 

日本人による歴史的大発見

AGAの歴史と同時に植毛の歴史も第二次大戦後から始まります。一時的な平和が訪れたことから男性も女性と同じように自分を審美目的で見ることができるようになった証拠ですね。

今、自毛植毛の本場はアメリカですが、施術の歴史を紐解くと開発したのは日本人でした。第二次大戦中の1939年、奥田庄二医師は「自分自身の毛髪を頭皮を含めて他の場所へ移植する」という概念を元に現在のパンチグラフトによる植毛を提唱しました。

当時としては常識を覆す概念でしたが、この手法は戦時中ということもあって日本では臨床実験を続けることができませんでした。

1959年、奥田医師の研究を参考にしたのがノーマン・オレントライヒ医師で、1970年代になると「奥田・オレントライヒ法」という名称で自毛植毛が少しずつ定着していきます。

 

前立腺治療薬がAGAで効果を発揮!

自毛植毛が飛躍的に伸びる歴史的なきっかけは施術方法だけでなくAGAにも表れます。

1983年、アメリカのメルク社は前立腺肥大の治療薬として5α−リアクターゼ1型の作用を阻害するフィナステリドを有効成分としたプロスカーという治療薬を開発します。

この治療薬を治験者に投与したところ、育毛促進の効果が見られたのです。

 

ここで初めて、男性の脱毛には5α−リアクターゼ1型とテストステロンの関係が明らかになりました。

 

現在、プロスカーはAGA治療薬として代表的なプロペシアの名称で販売されています。

AGAの原因解明、自毛植毛の技術進化が同調し、歴史は1990年代に入って飛躍的な進化を遂げます。自毛を移植する際、株を大量に採取できるFUT方法の発見です。

 

進化を続ける自毛植毛の技術

AGAの影響を受けない側頭部や後頭部の頭皮一部を薄く切り取ってドナー株を採取するFUT方法の歴史は1994年頃に始まっています。ドナー株を傷つけずに採取できるので定着率が高くなることからFUT方法は施術の主流になりました。

 

さらに2000年代に入ると、従来のパンチグラフトによる株採取方法を進化させたFUE方法の歴史が始まります。

 

現在、FUT方法は切り取った頭皮の縫合跡を目立たなくさせるトリコフィティック縫合法が生まれ、FUE方法は採取部分を刈り上げずに採取する株の毛だけをカットする技術があり、さらにはロボットによる施術もあります。

自毛植毛の施術の歴史は他の外科手術に比べると日が浅いのですが、その進歩には目覚ましいものがあり、今後もさらに進化することは間違いありません。

 

まとめ

アメリカは国際毛髪外科学会の本拠地であり、日本の医師もこの学会の会員になっています。しかし日本には美容外科学会や形成外科学会はあっても植毛専門の学会が見当たりません。

歴史的に見て日の浅い分野であることから統一学会がないのは仕方のないことでもありますが、歴史的に需要が増えている現在、専門の学会が必要とされていることは確かです。

自毛植毛に関して信頼できる歴史の編纂がないことも、自業界が統一されていないことが大きな要因です。

業界全体がさらに社会的信頼を得るためにも、自毛植毛専門の学会誕生が待たれるところです。

 

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